調査旅行後半はイタリアのミラノ音楽院(ヴェルディ音楽院)図書館。ミラノ滞在中、初めてスカラ座に行ってきました。今回はそのご報告。

夜のスカラ座(写真はいずれもクリックで拡大)

2月17日(日)20時から、スカラ座管弦楽団のコンサート。クリストフ・フォン・ドホナーニがキャンセルしてしまって残念。ピンチ・ヒッターはマルク・アルブレヒト。もともとブルックナーの交響曲第9番と、スカラ座合唱団との《テ・デウム》というプログラムでしたが、《テ・デウム》と交響曲第4番に。

総勢100人ほどの合唱団(微妙に遅れがち)は、すごい迫力。最後は「絶対、宗教曲であること忘れてる!!!」と確信させられる、オペラチックな盛り上がりでした。微妙なテンポの揺れをたくさん要求する指揮者で、特に後半の《ロマンティック》はコン・ミスさんが大変だったと思います。想像していたよりずっと丁寧な演奏でした。1番下(2階)のボックス席(Palco)の中央から5つ目くらいの1列目で、€102。

ボックス席の一列目、椅子が向かい合っている。後ろにもう4席

19日(火)は、ロッシーニの《チェネレントゥーラ》。いやあ楽しかった〜。オーソドックスなポネルの演出で、難しそうな早口言葉のフレーズや細かい重唱なども無理なく進みます。男性合唱はオペラでも微妙に遅れがちで、どうもこの合唱団の特性のようでした。どの歌手も良かったけれど、やはり主役のクレベッサがチャーミング。ブッファ陣も達者。

ベルリンやウィーンなどドイツ語圏の歌劇場では、歌手たちの圧倒的な声量に驚かされましたが、ミラノでは、「声」よりも「歌」を聴く楽しさを存分に味わいました。メロディーの刻み方というかフレージング感が自然で、聴いていて気持ちが良い。終演が11時過ぎで、カーテンコールがちょっとおざなりだったのが気の毒でした。平土間(Platea)の左寄り前から3列目で、€276(平土間全部と5階までのボックス席1列目が、全てこのお値段!!)。

最上階(Galleria)より見下ろす

このオペラよりも面白かったのは、18日(月)に行われたマウリツィオ・ポリーニのリサイタル(平土間左寄り、通路の後ろ2列め。€102)。歌劇場でオケやピアノのコンサートもやるんですね。舞台上を暗くして、天井の左右2ヶ所から中央のピアノを明るく照らすライティング。舞台に出るには階段を2、3段降りる構造。舞台端は暗いので、ポリーニさんかなり慎重にゆっくりと降りていました。

第1部が、ノクターンやポロネーズなどのショパン、第2部がドビュッシーの前奏曲集第1巻全曲という、昨年の日本でのリサイタルとほぼ同じプログラム構成。イタリアのお客さんは、ドビュッシーに少し戸惑っているようでした。2曲目のアンコールとしてショパンのバラード第1番を弾き始めたら、前の列の男の人がガッツポーズ。難所も乗り越えて弾き終わると、観客大熱狂!!!

ショパンのエチュード集などの録音を思い出すと、ポリーニもやはり歳だなあとちょっと複雑な感じ。でも、ドビュッシー良かったし、そもそも77歳でリサイタルってやはりすごいことです。何よりイタリア人たちの盛り上がり、忘れられません1

ポリーニ@スカラ座

おまけ:20日(水)の夕方、スカラ座博物館に寄ったら、翌週の演目のリハーサル中。ガラス越しですが、ムソルグスキーの未完のオペラ《ホヴァンシチナ》の、衣装や舞台装置付き通し稽古(ゲネプロ)を見ることができました。こんなマニアックな演目も取り上げるのですね(もちろんロシア語)。平土間の真ん中にデスクを置いて何人かがモニターに見入り、時折オーケストラ・ピットの指揮者に伝令が何やら伝えたり。もう博物館を閉めると追い出されるまで、30分以上ずっと見ていました。

  1. チケットはスカラ座公式サイトで注文。英語版有り。席も選べます。20%の手数料込みの値段ですが、公式サイトを使わないとさらに手数料が€50以上も上乗せされますので、注意が必要です。

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